木村王位の「木村一基実戦集」の感想です。
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この表紙の写真がいいですね!
自戦記13局、解説局49局、計62局が収録されています。
解説は木村王位のお弟子さんの高野智史五段が
書かれているのが心憎いですね。
最初に故・村山聖九段との対局、
自戦記のラストはもちろん王位獲得の一局です。
※ 改行、段落分けは当管理人の独自の判断で
しておりますのでご了承ください。
まずまえがきから
実戦集の出版にあたり過去の棋譜をたどってみると、
その当時考えたことが思い出されます。
若い頃は雑ではあるが積極的。
形勢は悪くても諦めない気持ちが前面に出ているように思います。いま現在、不足しているものが映しだされているかのようです。
また、当時考えたその蓄積が、
AIを使うようになった現在でも生かされているような気がします。
当時のことを思い出せるのいいですね!
不足しているものが映しだされているかのようとは
なんともいえないと感じました。
AIに生かされているんですね。
村山聖九段との自戦記のラストでは、
それにしても、まさかこの将棋が村山さんの絶局になるとは
思いませんでした。
午後10時44分終局。感想戦のあと、村山さんから誘われ、
隣で内藤先生と対局していた富岡さん(英作八段)と
3人で食事に行きました。僕と富岡さんだけ飲んだ。
いろんな話をしましたね。5月の総会には出ようかなとか。復帰の予定も聞きました。
村山さんは「何を食べてもガンの栄養になっちゃう」
と言いながら、おでんの卵を食べました。結局、村山さんとゆっくり話したのは、
これが最初で最後になりました。
対局の後、村山聖九段と食事に行かれたんですね。
とても印象的ですね。
木村王位が村山聖九段とゆっくり話されたのは
1回きりだったんですね。
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そして王位獲得の1局からの白眉になります。
「喜びを実感」と銘うって、
前にも言いましたが、
史上最年長の初タイトルといいうのは、
それほど自慢できることではありません。自分は早くタイトルを取る力がなかったということです。
棋士は誰でも40歳を過ぎれば下り坂になる。46歳の自分も読みの力や精度は明らかに落ちています。
体力的にも年々きつくなっている。そこでタイトルを取れたのは運が良かったとしか言いようがありません。
平成31年になってから多少勉強量を増やしたんです。そのくらいのことで結果が出るほど甘い世界ではない。
勉強は誰だってやっていますから。
ただ、一局一局に対する集中力は若いころより増したかもしれません。
体調の整え方を含めて、対局の準備は昔よりちゃんとできています。年を取ってよかったのはそこだけですね。
振り返ってみると、小学校2年生のとき、
師匠に声をかけられて師匠の家にうかがった。そこが自分の将棋の出発点ですね。
自分で言うのもなんだけど、
それからは将棋一筋の人生でした。本当にプロになれるのかと悩んだり、
勉強法に迷ったこともあったけど、
自分なりにまじめだったと思う。
ただ、もっとすぐれた勉強法はありました。そこだけは悔いがある。
去年からやり始めたのは序盤の研究ですね。
作戦をより具体的に意識して立てるようになった。
それはもっと早くからやっておけばよかった。もちろん、三段時代も必死にやっていたんです。
勉強時間はその頃がいちばんかけていましたから。
でも、至らない点も多かった。~(中略)~
自分は受け将棋だとよく言われますが、
自分では受けて勝とうという意識はあまりないんです。
むしろ、序盤は積極的にいきたい。そうでないと、いまの将棋は勝てません。
主導権を握るのは大切ですから。ただ、相手が少し無理気味に攻めてきたときは
受けに回ることになる。今回の王位戦では第3局がそうですが、
そういう将棋はいまもありますね。~(中略)~
応戦(援?か 管理人 注)してくださった方々の声は
七番勝負が始まる前から届いていました。それは本当に大きな力になりました。
どうもありがとうございました。
冷静に自省されているのがスゴイですね。
集中力というキーワードが特に印象に残りました。
悔いの部分も正直に書かれているがスゴイです。
こういうところに木村王位の魅力があるんでしょうね。
ラストの文もファン思いなのが伝わってきました。
あと、この本の紹介に、
しかしタイトル戦で活躍されてしまうと、解説がする機会が無くなるのでちょっと残念です。
以上が、木村王位の「木村一基実戦集」の感想になります。
お読みくださりありがとうございました。
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